「ビジネスとは何か。」そう聞かれてすぐに答えられますか?
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仕事をしていると、「ビジネス」という言葉をよく聞くが、最近になるまでどういう意味で使われているのかよくわかっていなかった。例えばこんな感じだ。
「あいつはビジネスのことが何もわかっちゃいない」
「それで本当にビジネスになると思っているのか」
なんだか馬鹿にされているとしか思えなかったが、最近ようやくその意味するところがわかってきた気がする。そして、「ビジネス」という言葉に対して無意識に感じていた違和感も自分なりに整理できてきた。
言葉の正確な定義はWikipediaにでも譲るとして、ここでは仕事で使われる際の解釈を私なりにまとめた上で、そのおかしな使われ方に意見してみたい。
「ビジネス」という言葉の使われ方
例えば「あなたのビジネスは何ですか。」そう聞かれた際に、何と答えるのが正しいのだろうか。
- 「会社員です。」 これでは職業を答えただけだ。
- 「エンジニアです。」 これでは職種を答えただけだ。
- 「しがない個人事業をやってます。」 これでは事業規模を答えただけだ。
「ビジネス = 商売」と言い換えるとわかりやすいかもしれない。要は「何を飯のタネにしているのか」が答えになる。だが、上記の質問にこう答えた場合はどうだろうか。
- 「ブログの広告収入で生計を立てています。」
ブログで生計を立てているなら、それは立派な飯のタネに違いない。だが、「ビジネス」と呼べるかと言うと微妙な気がする。特に仕事で使われる場合は、単純に飯のタネだけを意味しているのではなく、仕入先や外注先などもっと多くのステークホルダーの存在を前提にしていると思っている。「何で稼いでいるか」だけではなく、「何をどこから仕入れて、どのようにして売って、稼いでいるか」だ。
「ビジネス」という言葉への違和感
でもそれっておかしい気がする。無料ブログでアフィリエイトを使って生計を立てていても、それって立派なビジネスだ。ビジネスが軌道に乗ってくれば、レンタルサーバを借りたり、クラウドソーシングを活用したり、ビジネスを拡大していけばいい。
- 「こんだけ使ってあげてるんですから、たまにはうちの商品も買ってもらえませんか。」
- 「今期の売上が厳しいので手伝ってもらえませんか。代りに今後はあんたのところをメインで使わせてもらいますよ。」
そんなやり取りが日常的に見られるのが古いビジネスの世界だ。
今の時代の「ビジネス」
コストをかける必要性の薄いビジネスでは、そういった「お付き合い」はほとんど必要なくなる。逆に、コストをかけて投資をすることで得られた差別化はどんどん難しくなってくる。
ブログで言えば、読者が求めるコンテンツを提供し続けることが究極の差別化になる。今の時代は、資金や元手は必要ない。その代りに「顧客価値に対する究極の成果主義」が必要になってくるようだ。
僕は無料ブログで生計を立てるなんて、もしできればこんなに真っ当な金儲けはないと思っている。それだけ読者が求めている価値を提供できているからこそ、読者が集まり、読者に広告が届いているのだ。無料ブログで生計を立てている人は素直にすごいと思う。(もちろん一部はあくどい商売をしている人もいると思うが。。)
完全に「お付き合い」が不要かというと、そうとも言えない。お金のやり取りが発生しない別の意味での「お付き合い」、情報交換などを目的とした横のつながりは必要になってくると思う。情報を独り占めにしようとしても、ネットの世界ではSNSやブログですぐに広まってしまう。情報を金儲けの手段にするのではなく、情報を発信することで情報が集まってくる。「シェア」の考え方だ。そんな動きが仕事としての「ビジネス」の世界でも起ころうとしていると感じる。
おわりに
今回はいつにもまして言いたいことがうまく伝わったか自信がない。なんだか当り前のことを書いたような気もする。
お金のやり取りを前提とした「お付き合い」に仕事でさんざん振り回された経験があり、それに対する反発を今回の記事にまとめてみたつもりだ。「ビジネス」という言葉の使われ方にもずっと違和感を感じていた。
僕はまだ会社員として昔ながらのビジネスの世界に関わっているが、だんだんそんなビジネスは求められなくなっていると感じている。残念ながらまだその世界から飛び出せてはいないが、少しずつチャレンジしてみたいと思ってブログを始めたのかもしれない。
「ブログに広告を載せて収入を得ることは、そんなに気が引けることだろうか?」
「お金を通したお付き合いは、そんなに偉そうに周りに吹聴できることだろうか?」
僕はそんなことはないと思っている。そして、はてなの上場をお祝いしたい。