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【向源】死を擬似体験するイベントに参加してみたレポート

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こちらの記事を拝見して速攻で予約してしまった「死の体験旅行」に参加してきた。結論から言うと、参加できてよかった。ほんと。最後は自然と涙がこぼれた。

 

世界最大級の寺社フェス「向源」

今回参加したのは、毎年ゴールデンウィークに開催される寺社フェス「向源」神道や仏教など日本の伝統文化を体験できるイベントが100コマ以上開催されるとのことだが、その中のワークショップとして「死の体験旅行〜死を通して、生を見つめる〜」に参加した。

 

ちなみに僕は頑固な無宗教者なのであしからず。テレビの取材も来ていたので、結構有名なイベントなのかもしれない。

 

大切なものを手放していき、死を疑似体験する

「死の体験旅行」は、もともと仏教などとは関係なく、欧米のホスピス終末医療として行われていたワークショップだ。自分が病にかかり、病気が進行し、やがて命を終えていく物語を疑似体験する。そして、自分にとっての「生と死」を考え、自分にとって何が本当に大切かを再確認する。

 

今後の受講者のために内容の詳細は控えるが、ざっくり言うとこんな流れだ。

  • 自分が大切に思っているものを紙に書き出す
  • 講師がとつとつと語る死へのストーリーに耳を傾ける
  • 合間合間に大切なものを少しずつ手放していく
  • 死を疑似体験する

 

言葉にしてしまうと伝わりにくいと思うが、身体の不調を感じたとき、桜が散った様を見たとき、医師から伝えられたとき、1年後にまた同じ景色を見れるかと思ったときなど、その都度大事なものを選んで手放していく行為は、大変ストレスフルだった。

 

最初は思ったよりも気軽に手放せたが、徐々に目頭がうるんできて、周りからはすすり泣きが聞え出す。最後は僕も涙した。ちなみに、辛い場合は手放すのを諦めてもいいとのアナウンスが最初にあった。

 

自分の知らない自分と出会う(僕の場合)

やはり書き出してみることは大変効果があるもので、意外な自分と出会うことができる。

 

僕の場合は、「布団」が大好きで書き出したが、意外にも一番最初に手放すことになった。不眠症に苦しめられたこともあったが、最近は寝すぎると後悔する。以前は睡眠不足に対して一種の強迫観念を抱いていたのだろう。死を意識すると布団でぐーすか眠ってなどいられないと気づく。やり残したことがまだたくさんある。

 

他にも「お金」や「昔の記憶」などは簡単に手放すことができた。「物欲」や「思い出」は死を前にするともろくも崩れ去る。これは周りも同じようだった。

 

代わりに残るのは、「人」と「目的」だ。命の源である「母親」、他人から家族となる「配偶者」、新たな命となる「子供」などの重要な他者だ。残念ながら父親は大して残らないらしい(涙)。人生の目的としてやりたいことが最後まで残った人は、「自分」の生き様を大事にしているようだった。

 

僕の場合は、「両親」はかなり前半に手放すことになった。一度縁が切れかかったが、和解し、孫の顔を見せることもでき、現時点では心残りが少ないのかもしれない。

 

そして、僕が最後に残したのは「妻」だった。「子供」ではなかった。そして、早速それを妻に伝えた。ちなみに、最後の方に残ったのは「妻」、「子供」、「本」、「日差し」、「意志」だった。

 

おわりに

死を疑似体験することは、生をより強く意識することだった。また、紙に書き出し、手を動かし、場を共有することで、意外な自分に気づくことができた。生きているうちにやりたいことがある。だが、死を意識すると簡単に手放せることも多い。スティーブ・ジョブズもまた、死に直面してこう言っている。

自分がもうすぐ死ぬ状況を想像することは最も大切な方法です。私は人生で大きな決断をするときに随分と助けられてきました。なぜなら、他人からの期待、自分のプライド、失敗への恐れなど、ほとんど全てのものは…死に直面すれば吹き飛んでしまう程度のもので、そこに残るものだけが本当に大切なことなのです。自分もいつかは死ぬと思っていれば、何か失うのではかないかと危惧する必要はなくなるので、私の知る限りの最善策です。失うものは何もない。思うままに生きてはいけない理由はないのです。

 

あ、そうそう、そういえば現地に「セーラー服おじさん」が来ていた。

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CNN.co.jp : 自分らしい生き方を 「セーラー服おじさん」のメッセージ

 

感傷に浸っていた僕は、一瞬で現実に引き戻された。

 

スティーブ・ジョブズ I・IIセット

スティーブ・ジョブズ I・IIセット

 

 

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