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イノベーションと進歩の違い(楠木 建 氏 講演レポート)

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以前、某所で楠木 建 氏のイノベーションについての講演に参加した。そのときは、仕事としてイノベーションを捉えていたが、もしかしたら人生についても似たようなことが言えるかもしれない。なぜか最後はそんな話。

 

楠木 建 氏とは

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スキルとセンスの違いとは--一橋大学大学院の楠木氏 - ZDNet Japan

 

「ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件」「好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則」などのベストセラーでお馴染みの楠木 建(くすのき けん)氏は、一橋大学大学院で教鞭をとる経営学者だ。

 

見た目は胡散臭いおっさんだが、講演自体はすごくよい内容だった。あと、いい声をしていたのが印象的だった。

 

イノベーションの本質

最近イノベーションについて語られること多いが、その定義について触れられることは少ない。僕も「技術革新」や「破壊的技術」はたまた「変化」や「新しいこと」などのように漠然と考えていたが、どうやらそれは間違いらしい。

 

技術側の供給よりも需要として社会を変えること(ドラッカー)

イノベーションは技術だけにとどまらない。

 

経済から自発的に生まれた非連続的な変化(シュンペーター)

イノベーションは起こるべくして起こる。それも、突然に。

 

進歩(progress)とイノベーション(innovation)の違い

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経営管理 | 経営戦略の最新ノウハウが、ここにある。 オービック情報システムセミナー[2016年 新春] | オービック

 

既存の価値観の延長線上にあるのが進歩だ。価値観を転換するのがイノベーションだ。

 

パフォーマンスの次元が変わること(ドラッカー)

 

進歩には終わりがある。

 

コモディティ化(同質化)すると、顧客は細かい違いがわからなくなり、いくら進歩を説明しても「で、いくらなの?」と聞かれることになる。顧客の認知の限界だ。

 

時計の正確さにも、ビジネスクラスのリクライニング角度にも限界はある。技術的、物理的な限界だ。

 

イノベーションの例

スマートフォンや携帯電話の割賦販売(分割払い)も、イノベーションの一つだ。もちろん銀行に行ってローンを組むこともできるが、誰がそんな面倒なことをするだろうか?

 

エジソンは、発明家ではなくイノベーターだ。電話はベルが発明したが、エジソンが実用化している。当時、電話が鳴っても聞き耳を立てるだけで、誰も電話機に向かって話しかけようとは思わなかった。そこで、エジソンは「電話を取ったら、Helloと言おう」というキャンペーンを大々的に展開した。全然技術的ではない!

 

イノベーションは新たなカテゴリを生み出す

「俺のウォークマンは松下製だぜ!」

「ソニーのiPodを買ったぜ!」

「ヤフーでググれ!」

 

あまりに普及すると、特定商品を意味する固有名詞が一般名詞に変化する。

 

ここでもわかるように、イノベーションは進歩ではない。ウォークマンは持ち運びやすい小型化を優先し、iPodは互換性の高いMP3対応を優先したが、その結果として音質は悪くなっている。技術的には退化とも思える。

 

イノベーションを起こした者は強い

ワンカップ大関(おおぜき)は、昼間からコップ酒を飲んでいた人たちに向けて作られた。当時はコンビニも少なく、自販機の缶で飲むお酒はまずかった。

 

もちろん他社に真似されたが、「大関」ブランドは消費者に選ばれ続けた。ちなみに、冷酒を生み出したのも「大関」らしい。戦前は熱燗で飲むのが一般的だった。この2つのイノベーションで「大関」という会社は長く続いている。

 

イノベーションは起こそうとしても起こせない

進歩なら起こせるだろう。だが、イノベーションは思いつくかどうかだ。必死に頭をひねっても、思いつかないときは思いつかない。所詮、後付けでしかない。

 

会社は進歩が大好きだ。競争の圧力、顧客の圧力、株主の圧力、マネジメントの圧力。どれも進歩を後押しする。

 

  • 競争の圧力 「競合他社より高い性能を実現します。」
  • 顧客の圧力 「顧客に説明しやすいです。」
  • 株主の圧力 「株主の期待に応えられます。」
  • マネジメントの圧力 「進歩を目指した方が経営が楽です。」

 

そうやって、努力すればするほどコモディティ化(同質化)に飲み込まれる。

 

努力しないとして、じゃあ、どうするか?

イノベーションはめったに起きない。努力しても起きない。頑張っても起きない。

 

だから、頑張らない。進歩にすり替えない。イノベーション推進本部なんて作らない。

 

好きな人に好きなようにやらせる。先のことばかり考えず、今やれることをやる。

 

『なぜこれが今までなかったんだろう』。これがイノベーションに対する最大の賛辞である(ドラッカー)

 

人生におけるイノベーションを考えてみる(感想)

イノベーションを「価値観の転換」と捉えると、人生にも当てはまる気がする。

 

技術側の供給よりも需要として社会を変えること(ドラッカー)

できることだけでなく、自分がやりたいこと。

 

パフォーマンスの次元が変わること(ドラッカー)

人間は30~40歳で人生の転換期を迎えるという。僕の場合は30歳前後だったようだ。

 

起こるべくして起こるイノベーション。後付けでしか語れないイノベーション。頑張っても起こらないイノベーション。

 

頑張って生きた先で、行き詰ることもあるだろう。もしそうなったら、頑張りすぎるのをやめて、やりたいことを思い出し、先のことばかり考えずに、今を精一杯に生きる。

 

おわりに

一度価値観の転換を経験すると、「正解」とか「普通」という言葉がどうでもよくなってくる。だが、イノベーションはめったに起こらないらしい。日々進歩することも忘れないようにしないといけない。

 

イノベーションは努力しても起こらないが、見つけるためのコツはあるらしい。興味のある人はドラッカーによるイノベーションの「7つの機会」について調べてみるのもいいだろう。

 

 

「あんなこと起こらなければよかったのに。。」

それは行き詰った結果、どうしようもなく起こったことかもしれない。そして、一度価値観が変わると、もう元の状態には戻れない。

 

好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則

好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則

 

 

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